7月21日〜

7月21日
 母島の玄関口に当たる沖港湾口にある鮫が崎展望台には母と子、そして亀の銅像が海を見守っています。子は両手を高く揚げ、母は手にオール(櫂)をもって遠くを見つめます。
実はこの銅像、父島のものと二つで一つ。やはり父島の玄関口大村海岸では、父が子と共にカヤックを足元に置き、海を見守っている姿が見られます。離れ々の様でなんだかちょっと切ない気もしますが、ロマンチックだと思いませんか。
母と父、島の様子と一緒に、こんな所を見比べてみるのも面白いかも知れません。
7月22日
 満月の大潮です。潮の干満が著しい期間です。脇浜では岩礁の一部が、離れ小島のように数箇所飛び出しているのが見られました。
月の満ち欠けは海辺に住む色々な生き物達に影響を与えます。珊瑚や伊勢海老、魚達もいつもの晩より活発に動いているようです。
人間も例外なく、今晩は月見の一行や、宴で盛り上がる人々の声が島のあちこちから聴こえてくることでしょう。
7月23日
 台風が近づいてるなんてウソ!のようなカラッカラの晴天だった昨日とは一転、今日は朝から重そうな雲が垂れ込めています。そんな不穏な空気を感じ取ったのか、オガサワラトカゲが観光協会事務局に避難してきました。父島ではあまり見かけなくなったこのトカゲも、母島では道端で日向ぼっこをしている姿や、こうして建物に迷い込んでくる姿をしょっちゅう見かけます。
 たくさんのトカゲ達が逃げ込んでこなくても済む程度の台風であればいいなぁと祈るばかりです。


7月24日
 昨日から林野庁主催の小笠原原生植生回復ボランティアの方々が来島されていました。今日は島の人たちと一緒に桑の木山で移入稙物であるアカギの稚樹と萌芽の除去作業、固有植物の植栽をする予定でしたが、台風7号の影響で作業もできずに父島に渡る事を余儀なくされました。島のために遠くから来ていただいたのに大変残念です。このツアーも4回目を迎え、毎年いらっしゃる人、最初のツアーに参加し、その後どうなったかを知りたくて参加された人、、以前抽選に漏れてしまい再チャレンジされた人など様々な方が参加されていますが、在来の自然を守ろうとの思いで参加して下さっています。本当に申し訳ない気持ちです。
 島民達が頑張って作業しておきますから、また来て下さいね。
来年参加されたい方、大歓迎です。 

アカギ豆知識
アカギはトウダイグサ科の植物です。燃料を木材に頼っていた明治時代に薪炭材利用として導入されました。小笠原の気候に適していたのか、返還後に急激に成長し始めました。旺盛な更新力で固有植物の成長を妨げています。
7月25日
 台風7号が次第にその強い力を見せ始めました。
朝から強い風と雨が事務局の窓を叩きつけ、ガタガタピューと大きな物音をたてています。
沖を見ると、堤防を越えてきた波を思い切りかぶり、今にも溺れそうな灯台が見えます。これから夜8:00の満潮に向けて更に水位が増し、灯台を溺れさせるかの様な波が襲い掛かることと思います。これからの時間、海岸線には近づかない様に充分な注意が必要です。
7月26日
 台風7号は波のうねりを残し、次のターゲットへ向かって走り去ったようです。今日は朝から太陽が顔を覗かせ、青空が広がっています。
しかしまだ波は高く、沖遊びが出来るまではもう少し時間がかかるかもしれません。
 裏のガジュマルも、枝中に赤い果実をいっぱいつけました。もう夏本番。早く、いつもの透きとおった真っ青な海が戻ってくるといいなぁ。
7月27日
 この奇妙なものは何でしょうか。
30cm以上はあろうかと思われる、巨大なウミウシ、その名もミカドウミウシです。暗い夜の海をヒラヒラと身体をよじらせ、泳いでいました。何もない空間を飛んでいるような、踊っているような不思議な動きがわかっていただけるでしょうか。
このウミウシ、海の中の姿を写真に収めると神秘的で美しいのですが、陸に上げてみると本当に生々しく、まるで何かの動物のレバーのよう…。生き物はあるべき場所で眺めるから美しい、という事をあらためて感じました
7月28日
 8月間近、夏本番!!と、いうことで、そろそろ今年も東京都自然ガイドのアンケート調査が始まります。
この調査は観光客の皆様のガイドに対する評価はもちろんのこと、エコツーリズムに対する意見を把握し、質を上げる目的で行われます。期間中自然ガイドをご利用いただき、アンケートにお答えくださった皆様にはささやかなプレゼントをご用意しております。ラム酒パッション酒、レモンジャムに草木染、タコノキ等々、母島が誇る名物ばかりを取り揃えました。
このチャンスをぜひお見逃しなく!!
7月29日
 今日は雲ひとつない晴天。昼休憩に脇浜で一泳ぎしていると、カニが何かをくわえています。
カメでした。産まれたばかりの小さなカメが無残にもカニのお昼ご飯となっていました。
稚亀達も生存競争が激しく、大人に成長できる亀はほんの一握りだそうです。
左は野生の亀の産卵の様子です。先日脇浜で観察されました。母亀が何時間もかけて産み落とした命。一つでも多く、外の世界に旅立って欲しいものです。
母島生まれの稚亀達がんばれ!!
7月30日
 観光協会裏手にあるガジュマルの実が熟し朝から鳥達が群がり大喜びで食べています。乳房山や北港には大きな大木があり南の島のジャングルの景観を作っています。
 このガジュマル、締め殺しの木とも言われます。鳥の糞に混じった種が他の樹上で発芽すると気根を垂らしながら成長し、地面に届くと他の気根と一緒になり年月を経て幹へと成長します。気根は元の樹を締め上げ枯らし、最終的にはガジュマルが巨木となり、元の木に取って代ります。

 
小笠原には受粉の媒介に必要なガジュマルコバチがいなかったため、発芽は見られませんでした。しかし1990年代頃からこのコバチが侵入し在来種の幹の上にも発芽しているのを目にするようになってきました。強い外来種、弱い固有種。海洋島の自然はあまりにも脆いものです。
7月31日
 早いもので、7月も最終日。
日曜日の晴天とあって、たくさんのボートが沖遊びへと出掛けて行きました。
沖ではイルカ達もこの陽気にご機嫌だったらしく、大きな群れのハシナガイルカが得意のジャンプで歓迎、ミナミハンドウイルカは人懐っこいその泳ぎで皆を楽しませてくれたようです。
透明度も高く、ずいぶんと遠くまで真っ青な海の中を見渡せたとのこと。
台風7号が激しくかき混ぜていった海は、もうすっかり元通りの美しい姿を取り戻しているようです。