8月10日〜

8月10日
 母島には、固有種の貴重なカタツムリ(天然記念物)が多数生きています。しかし、今父島ではその天敵となるプラナリアという外来種が入り込んでしまい、その数が激減しているのです。
そして、父島に入り込んだ天敵プラナリアは、土や泥に紛れ込んで母島や属島に広がり、貴重なカタツムリ達を絶滅に追い込む恐れがあります。
侵入予防の対策として、今日から靴の泥落としコーナーを設けました。観光のお客様、島民の皆様、一人一人の意識で母島の素晴らしい生態系を守ることができます。
皆で島を守っていきましょう。
8月11日
 黒い雲が激しい雨を引き連れて、こちらの沖港から向こうに見える平島へ、どんどん動いている様子が分かりますか?
ここ2,3日母島ではいかにも南の島らしい天気が続いています。朝からよく晴れ、照りつける日差しは痛いようなのですが、夕方前3時頃になるとどこからともなく黒い雲がやってきて激しい雨を落としていきます。雨は大きな音で屋根を叩き、数分後には水溜りだけを残し、過ぎ去っています。そしてまた暑くて強い太陽が顔を出すのです。
スコールが通った後には植物達は大喜び、鳥達も水溜りへとやってきます。そして海上には美しい虹がかかることもしばしば。
母島の雨は皆に心地良い、恵みの雨なのでした。
8月12日
平和都市宣言が刻まれているこの石は、ロース石といいます。
ロースとは、明治2年母島に来島、母島を開拓したロルフス・ラルフの通称で、彼が発見し使ったことから島民はこの石をロース石と呼びました。この石は加工しやすく、戦前には倉庫、流しなどいろいろなものに使われていました。

母島にはこのロース石造りの館、ロース記念館があります。戦前は砂糖倉庫としてつかわれていたものです。ここは、母島に生活した人々の足跡を後世に伝え、現在の生活やこれからの生き方を考える郷土資料館です。東京都文化財にも指定されています。
8月13日
 またしてもメジロの子が迷い込んできました。
今日はおがさわら丸出港日で船客待合所の混み具合はピーク。ははじま丸は超満員です。
そんな人ごみの中、一羽の子がせっかくのバードセーバーも無視し、船客待合所に入り込んだのです。
しかも、観光協会窓口の桟に腰をかけ、のん気に目を閉じて
いるではありませんか。
 おがさわら丸で内地へ帰る人々との別れを惜しんで、見送りに来てくれたのかもしれません。観光のお客様方も小さな珍客に喜び、思いがけなく至近距離でのバードウォッチングとなりました。

8月14日
 おがさわら丸出港翌日の日曜日。ははじま丸は運休。三つの商店も全て休み、島民のほとんどが休日を楽しんでいることでしょう。
 観光協会のある船客待合所内はシンと静まり返っています。天気も良く絶好の行楽日和なので、きっと皆沖遊びに出かけたり、山登りに出かけたりと、(母島なりの)遠出を満喫しているのかもしれません。

 昨日ガヤガヤと賑やかで楽しげだった待合所にはメジロが遊びにやってきたのに、待合所が少し寂しげな日には、鳥達さえも遊びに来てはくれないようです。
8月15日
 船客待合所横のクジラのモニュメント付近に生えているシマニシキソウにピンクの花がついていました。小さい花がいくつもついています。熱帯、亜熱帯に分布するトウダイグサ科の植物です。シマニシキソウの群落中に1割程度の割合でテリハニシキソウという固有種があるそうです。小笠原植物図譜(豊田武司著)によると全株無毛で葉の表面にやや光沢があって桃紫色の斑点があり、縁にはシマニシキソウよりやや尖った鋸歯がある。とあります。残念な事に母島では確認されていないようです。
 道端や畑などでも簡単に見られます。もしかしたら母島にも固有種のテリハニシキソウがあるかもしれません。初確認者になってみてはいかがでしょう。雑草だなんて思って見過ごしていませんか?
8月16日
  
以前にも「今日の母島」で何度かご紹介をしたことのあるカツオドリ。よく沖港で狩りをしていた、私達に馴染みのカツオ君は顔の色から、オスの個体であることが分かっています。今日のハンターは顔が可愛らしく黄色に輝いています。女の子の様です。4指の間に水かきのついた両足が水中の動きも得意である事を物語っています。日本では他に、アカアシカツオドリ、アオツラカツオドリなど、水かきのある脚部が赤色のものや、青灰色のものが稀ではありますが確認されています。
この信号色の水かきを持った三羽が、一箇所に並んだ姿を一度でいいから見てみたいなぁ。
8月17日
 
このちょっと珍奇な形をした花は、シマザクラ。世界にも他に類似種を全くみない貴重な固有種です。生育する場所により変化が大きく、兄島のものは葉が細く、他の島では丸みを帯びています。花の色も、紫の濃い個体や、ピンク、ごく薄い色合いなどといった変化があります。
この薄ピンク色の個体の生育場所は乳房山山頂付近。展望の良い陽向地で、向こう側には真っ青に広がる太平洋がみえるという、好立地にしっかりと根を張っています。
ところでこのシマザクラ、桜には似ても似つかない形なのですが、何故シマザクラという名がつけられたのでしょう。
一説によると、昔の人々は美しい花を見ると、どんな花でも「桜」と呼んだらしいのです。そこから付いた名ではないか、ということです。
8月18日
 小笠原にはノボタン属の花が3種あります。ムニンノボタンは父島の、イオウノボタンは北硫黄の、それぞれ固有種です。
そして最後の一つがこのハハジマノボタン。
母島固有種です。花弁が4枚のムニンノボタンと比べ、こちらは5枚。花自体も大きく、着花数も多いので、最盛期には大変な美しさを誇っています。そんな美しい花の見ごろもそろそろ終盤。花よりも実が目立ってきました。
まだハハジマノボタンの美しい姿を見たことがない方は、お早めに乳房山へどうぞ!!
8月19日
 いよいよお盆休みも終わりです。今日のははじま丸はたっぷり自然を楽しんでリフレッシュした人やお盆休みで帰島していた人々136名を乗せて出港しました。この夏最高の乗船者数です。
 8月中旬からは海も凪ぎていてダイビングやスノーケリングも大いに楽しめたようです。いつも頂上付近にガスのかかっている乳房山もくっきりと雄姿を現し、登頂した人々もハハジマノボタンや至近距離で見られるメグロやハシナガウグイスの可愛い姿に感動していました。

 母島の夏はまだまだ続きます。27・28日には脇浜なぎさ公園で納涼祭が予定されています。ビールの一気飲み競争に参加しませんか?小笠原音頭や母島音頭を島民と一緒に踊りましょう。
8月20日
 マンゴーの種と皮を鳥達にと、協会裏のベンチに置いて上げました。メジロとヒヨドリが群れてにぎやかです。親離れしたメジロの子供達も喧嘩しながらつついています。群がっている様子を撮ろうと思ったのですがやはり近くに行くと逃げてしまいました。のんきな性格なのか食いしん坊さんなのか、まだ小さなこの子だけはずーっと食べ続けていました。他の子がいない間にしっかり食べなさいね。
 おいしいマンゴーの実は勿論人間のお腹の中へ・・・・でもこのマンゴー、元はといえば半分鳥に食べられちゃったからと言ってもらったものです。鳥と共存してる?!
8月22日
 島ではトラノオと呼ばれているチトセランの花です。リュゼツラン科、サンスベリアの1品種。観葉植物として、また電磁波を取るとかマイナスイオンが出るとか一時期もてはやされた植物です。島には明治の初めに持ち込まれました。畑の跡地や集落で良く見られます。乳房山の登山道入口にも小群落があります。花は6月頃に見られるのですが今年はちょっと遅い開花です。縁が黄色い物は観葉植物として価値があるようですが島で普通に見られ野生化しているものは丈は高くなりますが黄色の縁取りがありません。それでも一鉢ウン千円するようなものがそこかしこに生えているなんて不思議な島です。