8月22日〜

8月22日
 母島生まれの稚ガメ、35匹の仲間達です。脇浜にある産卵保護施設で産まれました。
昨日、8/21が彼らの誕生日。そして早くも今夜は、旅立ちの日となります。
観光でお越しの方々がウミガメの旅立ちの手助けとして、放流をしてくれるのです。
この大きな海でのつらい旅を何匹の稚ガメ達が生き抜いていけるのでしょうか。できるだけたくさんの子ガメ達が大きくなって、またこの母島へ帰って来る事を祈っています。
8月23日
 小笠原諸島は現在、西に11号、東に12号と、台風に挟まれた状態にあります。強めの風が吹いているのと、高いうねりが入っているので、海水浴はしばらくの間おあずけのようです。
海に入ることが出来ない代わりに、今日はビーチで拾ったいろんな物を使ってアクセサリー作りです。貝殻でキーホルダー、ビーチグラスでブレスレットと、初めての方も大変上手に母島のかけらを麻紐に編みこんでいました。
明日以降、台風が過ぎ去った後のビーチは宝の山です。いつもはめったに無いはずの素敵なものが落ちているかもしれません。皆さんも宝探しに出かけてみては?
素材集めのついでにゴミも拾えれば、自分自身ばかりでなく、海にとっても、最高の一日となるでしょう。
8月24日
 船客待合所のトイレで死んでいるトンボを発見。小さくて細いのでイトトンボかなと思いましたが顔を見るとトンボでした。今まで見たことのない小さなトンボ。なんだか解りません。尻尾の先がちょっとちぎれていますが体長は約2.5センチほど。写真では解りにくいのですが赤みががかった黄色というか黄色みがかった赤色で黒い模様のようなものが見えます。詳しい人に見てもらったところベニヒメトンボではないかと言うことでした。
 世界一小さいトンボはハッチョウトンボですが、身体の細さからの印象ではこのヒメトンボでは無いだろうかという人もいるそうです。

 
オーストアリア、タヒチ、ポリネシア、ミクロネシアなどに広く分布し、日本では小笠原諸島で見られるそうですが、めったに見ることは有りません。こんな小さい身体でよく渡ってきたものです。
8月25日
 
夏、小笠原では稚魚の季節です。台風の過ぎ去った後の吹き溜まりには、いろいろな種類の稚魚達が、浮かんでいる海藻やゴミを隠れ蓑に、所狭しと群舞しています。1cm程度の小さなカワハギは、海藻と同じように波に揺られ、海藻に擬態。シマハギは、小さくても親と同じ色彩で10匹程度の塊で泳ぎ回っています。敷き詰められた浮遊物の絨毯の下では、何かの稚魚が200とも300とも付かぬ大きな群れを造っています。しかし、隠れ蓑は時に、敵を隠してしまう目隠しにもなるのです。小イカが群れていた小魚を捕らえました。泥棒足と呼ばれる長い2本を伸ばし、ヒュッと音が聞こえるような素早さで一匹の稚魚を捕まえたのでした。捕らえた後はピチピチとする稚魚をものともせず、のんびり味わっている様子でした。
稚魚の世界の小さな戦いを除き見た瞬間でした。
8月26日
 
雑草の中で一際目を引く、ムニンセンニンソウ。
その名の通り、小笠原の固有種です。こんなに美しい姿をしているのに、島名はドクヅル。大自然が残る属島では確認されたことはなく、父、母の本島でのみ自生しているという、都会派(?)です。個体数が比較的少なく、雑草として処理されることのないよう注意が必要な種でもあります。
8月が丁度見頃の時期で、今母島では、石門や乳房山、北進線でも、白く美しい花を見ることが出来ます。
8月27日
 
いよいよ待ちに待った母島納涼祭の日がやってきました。朝から設営やら出し物の準備やらで街中が賑やかです。
父島からはスチールパンの演奏の方々も駆けつけてくれました。本番前の練習では、はは丸出港前の船客待合所に小笠原古謡の素敵な音色が響き渡り、父島へ向けて出港する人々を楽しませてくれました。
他にもBEER大会や、模擬店など、出し物が目白押しです。日曜日には花火も打ち上げられます。
母島の夏の締めくくりともいえる納涼祭、今夜は朝まで笑いが途絶えることは無いでしょう。
8月28日
昨日の納涼祭で盛況だったスチールパン演奏者の皆様が、今日は母島島民のためにスチールパン教室を開催してくれました。
会場は船客待合所。ちょうど入港日に当たる今日は、はは丸の入港時刻と重なり、内地からの観光のお客様は、お出迎えの人の多さと歓迎のコンサートに驚き、甲板へと出てきました。そしてこちらへ笑顔で大きく手を振っています。喜んでいただけた様子です。
スチールパンの不思議な音色は、観光のお客様ばかりでなく、島民達の心もガッチリとつかんでしまった様で、西日の照った夕方の船客待合所には、いつまでもスチールパンの音色が響いていました。
8月29日
 いたるところに生えているシマグワの葉です。同じシマグワですが個体によって葉の形状が違うのは人間でいうと鼻が低いとか目が大きいとかいう違いだそうです。
 かつて小笠原固有種のオガサワラグワは桑の木山という地名があるように多く生育していました。銘木である為ほとんどが切られてしまったことと、戦前に導入されたシマグワとの交雑により純粋なオガサワラグワはごく僅かになってしまいました。母島に残っているものは30本程度と言われています。
 オガサワラグワの遺伝子を脅かしているこのシマグワ、年に2〜3回実を付け鳥達がますます増やしています。桑の実は人間が食べてもおいしいのですが、鳥に負けないほどは食べられません。
8月30日
 
納涼祭の賑やかな夜、すぐ横の海中でも年に一度の一大イベントが行われていたようです。納涼祭の賑やかな一夜が明けたその朝、脇浜の隅に赤潮かと思われるような、水面を覆い尽つくす赤い浮遊物が発見されました。その正体はサンゴの産卵後の残りかす。サンゴは普通、大潮をねらって産卵します。大潮の夜は、早い潮の流れが発生し、卵をより遠くまで運んでくれるのです。しかし、ここは小笠原。絶海の孤島です。あまり遠くまで運ばれてしまうと、卵が着底できない。そこで小笠原のサンゴは小潮の晩に産卵をすることにしました。6月末頃から小規模産卵といわれる小さな産卵を二回ほど繰り返し、その後8〜9月頃の小潮の晩、一斉産卵をします。平均水温によって産卵の時を決めるサンゴは、温かいと早めに、冷たい年はゆっくりと産卵をするそうです。、サンゴについて色々と教えてくださったClub Noah中西インストラクターいわく、「今年は少し早い方かなぁ」との事。
8月31日
 
まるでタコが足を広げているような気根を出すタコノキ。小笠原の景観を代表する固有種です。おいしそうな甘い香りを漂わせ、パイナップル状の果実をつけている姿がよく目につきますが、タコノキは雌雄異株であり、パイナップル状の果実をつけているのは雌株だけ。(ちなみに調理すれば食べられますが、パイナップルとは似ていませんのであしからず。)一方、雄株はこのように穂状に垂れ下がり、粟粒のような花を密生させます。雄株の花は毎年ではない様で、島でもあまり見ることがありません。この雄のタコの木の貴重な雄姿を一度見にいらっしゃいませんか。