9月1日〜

9月1日
 
「シャシャップ」って何でしょう?
母島農協売店にはたまに、見た事のない物が並びます。この緑色でゴツゴツトゲトゲしたへんてこな形のフルーシ。ャシャップです。日本名を「トゲバンレイシ」といい、大きいものでは人間の頭ほどの大きさになります。収穫があった日には農協の店先でトロピカルな香りを漂わせています。南国特有の芳香を持ったフルーツで、少し繊維質ですがジューシーなヨーグルト風味。サイパンなど南の島では普通に食べられています。しかしその質はとてもデリケートで内地にはなかなか運ばれません。
島ではアナナ、モンステラ、ドラゴンフルーツと並んで、馴染みの深い珍フルーツなのです。
9月2日
 この美しい天然の湾は、母島の東側に広がる大崩湾。砂が白く見えているところが大崩海岸です。以前はゴロタ石の浜だったのですが、現在では山が大きく崩れたことによって、溜まった砂が白く美しいビーチを造りあげました。
そしてこのプライベートビーチはアオウミガメ達にとって誰にも邪魔をされずに産卵できる、理想的な場所となっています。
しかし、このプライベートビーチ、実は今だ崩れは止まっておらず、今年とうとう最初の犠牲者が出てしまいました。上から転がってきた大きな岩の下敷きになってしまった母ガメが発見されたのです。
産卵の為、数時間にも及ぶ重労働に耐える母ガメも、偉大な自然の力にはかなわなかったようです。
これから産まれてくる稚ガメ達が母の分まで大きく育ってくれるといいですね。まだまだ稚ガメ孵化の季節、皆さんも産卵巣を踏み抜かないよう注意しましょう。
9月3日
 船客待合所の向かい側にある石次郎海岸付近に波が叩きつけられています。
台風14号の影響ですがこれだけ離れていても影響があるほどの大きく強い台風です。これから大東島は大変ではないかと同じ南の島に住む者として心配になります。小笠原はこのところ大きな台風の直撃は免れていますが昭和58年の台風はすごかったそうです。島中が避難しやっと台風をやり過ごして次の日に見に行くと、1階建てのはずの家が2階建てになっていたそうです。前に立っていた家が飛ばされ上に乗っかってしまったというから驚きです。道路にはたくさんの魚が打ち上げられ、飛んできた様々な残骸で川も埋まってしまったそう。
 アメリカのハリケーンは大変な被害を出しています。自然の猛威の前には人間は無力です。
9月4日
 
台風14号が、母島の清見が岡鍾乳洞の人気に火をつけました。悪天候の為海に入れない日が続き、ここ数日の間、清見が岡の鍾乳洞に人が踏み込まない日はありません。今日は父島からもお客様が。鍾乳洞見学用のヘルメットをかぶり、探検家気分でいざ出発です。このヘルメット、皆様から撮影用に重宝がられているのですが、鍾乳洞内においてもかなり重要な役割を果たし、ゴツゴツした鍾乳石から頭を守ってくれているのです。鍾乳石といっても実は戦時中にだいぶ削られてしまい、壁にカーテンと呼ばれるものが残っている位のものなのですが。戦時中のこの鍾乳洞、なんと郵便局の役割を果たしていたそうです。
9月5日
 台風が過ぎ去って母島らしい真っ青な空が戻ってきました。
昨日まで断続的に激しい雨が降ったおかげで、マイマイ類が元気を取り戻したようです。陸産貝類のオガサワラオカモノアラガイがムニンヤツデの裏側を這っていました。体は透明色で、まるで水玉が動いているかのような不思議な生き物です。雨模様の日やその数日後は普段会えない珍しい生き物達と出会えるチャンスとなります。カタツムリ王国小笠原では特に、雨こそ散策日和、と言えるかもしれません。
9月6日
 ハイビスカスと言えば、燃えるような赤色を連想しがちですが、今日は純白のハイビスカスが真っ青な空に向かって元気に咲いているのを見つけました。雲よりも白く、太陽を反射してまぶしいくらいです。母島のハイビスカスにはその他にも黄色やピンク、2色に色分けされたものなど、たくさんの色あいがあります。
そしてそのハイビスカスの周りには、空の輝く青、海の澄んだ青、山の深い緑など他では感じることの出来ない自然の「母島色」が目に優しく映ります。
全てが美しい「母島色」を是非一度見にいらしてください。
9月7日
 台風のうねりが治まるのを待ちわびていたように、今日はたくさんの船達が久しぶりの海の上を楽しんでいました。
漁船から始まり、父島からのイルカ船、そしてこちら「ボヌール」は久々のゲストヨットです。東京湾を飛び出して新島等を経由、八丈島までたどり着くと、今内地で猛威を振るっている台風14号に出会ってしまい、しばらく足止め。そして14号をやり過ごし、69時間をかけて父島に到着、小笠原は2回目の来島だそうです。
午後4時を過ぎた頃にはもう、後ろのデッキで酒盛りがスタートし、楽しそうな声が聞こえていました。
 気ままで壮大なヨットの旅、一度は体験してみたいものです。
9月8日
 ん? 母島なのに品川ナンバー??と思われた方。そうなんです。小笠原が東京都であることはご存知の方が多いのですが、島内の車が品川ナンバーであることは案外知られていなかったりします。抜けるような青空と瑠璃色の海、青々と生い茂る野山など大自然に抱かれたこの地で、普通に行き交う品川ナンバーを見ていると、なんとも不思議な感覚になります。因みに・・・ 昨今、130円台突入と巷で騒がれているガソリンの値上げですが、いやいやとんでもない、母島のガソリン代はその倍近くしたりします。
9月9日
  9月に入ったというのに全く衰えを見せない母島の陽射し。
それでも昨日、今年の初ゼミの鳴き声が聞かれました。これはオガサワラゼミという固有種で小笠原では夏の終わりを告げる声として親しまれてきたのですが、減少が著しく一部地域では壊滅状態にまで追い込まれています。その減少原因は侵略的移入種であるグリーンアノール。母島に持ち込まれて以来個体数を激増させ、島内全域に分布を広げていきました。そして自身の食い尽くしによって捕食に適当なサイズの中小型の昆虫が激減し、より小型の種や大型の種、有毒な種までも捕食するようになりました。
さらに父島では、同じ小型爬虫類であるオガサワラトカゲまでも捕食する場面が確認されたのです。母島ではまだそういった報告は聞かれなかったのですが、先日とうとうオガサワラトカゲの頭部をくわえるアノールが目撃されました。
この様に小笠原の在来生物に大きな影響を与え続けているアノール、残念ながらいまだに効果的な駆除方法は開発されていません。
最強の捕食者グリーンアノール、このまま野放しにしていたら、将来は人間さえ食べられてしまうかも?