10月1日〜

10月1日
 今日から10月ですが、母島ではまだまだ夏が続いています。 今日はお休みとあって脇浜ではディンギーが気持ちよくセールをはためかせています。画面には見えませんが隣にはウインドサーフィンがカラフルなセールで走っています。
 都立小笠原高校の体育の授業にウインドサーフィンがあります。母島から小笠原高校に行く子供たちに予備知識としてウインドサーフィンのノウハウを教えてあげようと母島中学校の先生が時間のあるときは脇浜で体験教室を開いています。さらに海を楽しもうとディンギーも走らせています。こちらは大人たちになかなかの人気です。
 風を受けて走るヨットの白いセールが、母島の青い空に映えてとてもきれいです。いま少し夏が続いてくれますように・・・・
10月2日
 今日も良いお天気です。母島では手軽に出来るスポーツとしてゲートボールが老若男女に楽しまれています。年に数回大会も行なわれ、小学生からお年寄りまで10チーム以上が出場します。
 今日は3チームが練習試合を行なっています。真剣ではありますが絶えず笑い声が響き、ゲームをいかに楽しんでいるかが
わかります。真剣すぎてステックで相手チームを殴ったとかの事件を耳にすると母島では考えられない事と驚きます。
 試合は主に母島小中学校グランドですが今日のような練習は清見が岡鍾乳洞の手前にある練習場で行なわれます。
 この練習試合の後はお決まりのお疲れ様会が待っているようです。冷たいビールのために汗をかいているのでしょうね。おっとごめんなさい。
10月3日
 ここは南崎遊歩道。母島で最もジャングル体験が出来る場所の一つです。オガサワラビロウなど稙物の他にも、オガサワラトカゲやオガサワラゼミなど、固有種を満喫出来る散策路となっています。
 しかし、こんな人里離れたジャングルにも既にグリーンアノールの捕食被害は広がって来ています。数年前には話し声さえかき消されてしまいそうだったセミの鳴き声は、その声を聞くとホッとする程少なくなってしまっているのです。
 セミの鳴き声に聞き入っていると、何やら聞き慣れた電子音が・・・。そうなんです。ここ南崎遊歩道は深いジャングルでありながら、携帯電話が通じてしまうのです。嬉しいような、悲しいような、何とも不思議な感覚です。しかし、これだけ深いジャングルを安全に散策出来るというのも、母島ならではの魅力の一つなのかもしれませんね。
10月4日
 母島では島民の有志によって幾つかの踊りが楽しまれています。先日、その中の一つ、フラダンスの発表会が行われました。陽が落ちて、空に星が輝き始めた頃、生バンドの演奏に導かれて発表会は始まりました。暗闇にライトアップされて浮かび上がる踊り手さんたちは皆別人のよう。毎日のように船客待合所に遊びに来る子供たちも見分けがつかない程です。それにしても、ウクレレの音色、砂浜に素足がこんなに似合うとは・・・。さすが南国生まれ南国育ちの踊りなのでね。
 因みに、フラダンスはまだ文字や言語が無かった時代にその手の動きで相手に意思を伝えるという何ともロマンティックな踊りでしたが、最近では健康や美容にも良いとのことで「フラセラピー」なるものも登場して人気が高まってきているそうです。
10月5日
 これがなんだか分かりますか?写りがよくないのですが、淡水に棲むマミズクラゲです。今年は梅雨がしっかりとあった上に先月は台風も通り満水に近い貯水量の乳房ダムで採取されたものです。
 12年前、貯水量が40%を割った乳房ダムにこのマミズクラゲが見つかったとの記述が残っています。
 マミズクラゲは、ヨーロッパ、アジア大陸、アメリカ大陸、フィリッピンなど温帯、亜熱帯に広く分布しており日本でも普通に見られるそうです。
 海洋島である小笠原に淡水産のものがどうして発生したのかは謎です。今日採取したマミズクラゲは父島で分析をするそうですが結果が知りたいですね。ハハジママミズクラゲになるかも!?などと思わず期待してしまいます。
10月6日
 これがなんだか分かりますか?勿論、スクーターの方ではなく、手前で豪華絢爛に咲き誇る花のような物体。実はドラゴンフルーツというサボテン科の多肉植物なのです。原産は南メキシコ、中央アメリカ諸国。ヘルシーな果実でビタミンや繊維、ブドウ糖、更には身体に必要なミネラルを多く含んでいます。また、果実の中にあるゴマ状の種子は腸を刺激して便秘を改善しますので美容フルーツとしての人気も広まっています。
 このように良いこと尽くめの果実ですが、驚くのはこの希少な果実が、島民が頻繁に利用する普通の道端に、これまたごく普通になっていることです。道行く島民も珍しがるわけでもなく、普段の生活の一部として風景に溶け込んでいます。因みにこの稙物、その存在感たっぷりの果実とは裏腹に、花は人目をはばかるようにたった一晩だけその美しい姿を披露します。
10月7日
 母島のあるところから不発弾が見つかりました。戦後60年近くたっているのですが今だ不発弾が眠っているようです。何かの拍子に爆発するとは思われませんがそれは素人の考え方だそうです。今回も速やかに不発弾の処理班が到着し父島へと運んでくれました。海底で処理するそうです。
勇敢な自衛隊の方々ありがとうございます。
 大きなものでは有りませんが時々機銃の弾のようなものを拾う人がいるようですが危険です。見つけたらしかるべきところに(警察又は村)に届け出て下さい。決して内地に持っていくなど思わないように。大きな事故に繋がります。
10月8日
 中途半端に盛り上がった黒い物体。小人のかつら?UFOの模型?実はウニなんです。ジンガサウニと言います。ウニと言うとトゲトゲがあるものを想像してしまいますがこんな形のものもあるのです。ジンガサは陣笠から来ており、陣笠とは昔の下級武士がかぶった
ヘルメットのようなものです。そう言われてみるとヘルメットぽいかも知れません。
 波の荒い岩場にいるのですが、口側に太くてしっかりした管足があるので波に持っていかれることもありません。(ウニの口は体の下方にあり、排泄口は上方にあるという陸上生物とは反対になっています。)
 ちなみに口はアリストテレスの提灯といわれているそうです。発見したのがアリストテレスだったからですが提灯形の口ってどんなになっているのでしょう。じっくり見ることにしましょう。
 なんと!このウニ、食用に売られているそう。身は少ないのですがウニの中の珍味だそうです。
10月9日
 内地ではブーツ姿を見かける機会も増えてきているようですが、ここは東京亜熱帯、今日もジリジリと強い日差しが降り注いでいます。そんな今日、長年島で暮らした人が島を去りました。港には多くの人が集まり、レイや手紙を贈るなど、思い思いに別れを惜しんでします。午前10時半、やや高めの霧笛と共にはは丸が岸壁を離れると、一斉に皆が手を振り、大きな声で新たな門出にエールを送ります。中には船と一緒に走り出し、岸壁の端から海に向かって空中二回転を決める人も。しかし、不思議と涙を流している人はいません。島では別れ際に贈られたレイを船上から海に投げ入れると、必ずまた帰ってこれるという言い伝えがあるそうです。今日もはは丸の去った後の海には真っ白な花が浮かんでいました。また逢う日まで、ごきげんよう!