12月20日
 昨日とは打って変わって、今日は朝から爽やかな空が広がっています。温度計も見慣れた数字に戻り、ほっと一安心。
 船客待合所内を吹き抜ける風は何とも言えず心地よく、おまけに今日はおが丸出港翌日で島内はのんびりモード。そこで、今日は以前から気になっていた観光協会の看板取り付けを行うことにしました。この看板、船客待合所が新しくなって以来、今日まで何故か倉庫の番人と化していたものです。取り付けが終わり、それまでガラスに張られていた、紙に文字が印刷されただけの看板を剥がすと、事務所の印象は見違える程変わりました。
 そう言えば最近の私、洗いっぱなしの髪に、短パン、Tシャツ、サンダル姿が定着し『お洒落』とは程遠い生活になっているような・・・。人間、中身で勝負とはよく言いますが、やっぱり外見も重要ですよね。久しぶりにGパンにベルトでも通してみますか。
12月21日
 鏡のような水面を優雅に進むのは観光客ではありません。彼らは村役場の職員さん。実は、彼らの操るカヌーは元旦に脇浜で行われるカヌー競漕に使用されるものなのです。写真はレース艇を保管場所から戦いの舞台へ移動しているところです。
 元旦に日本一早い海びらきを行う母島では、毎年、島民と観光客が入り混じって白熱したカヌー競漕が繰り広げられます。一見簡単そうに見えるカヌーの操船ですが、舵を持たない艇をオールだけで操るのは結構大変です。ましてやレースは3人一組での参加なので、皆が息を合せないと艇は瞬時に海面を漂う木の葉と化します。
 このカヌー競漕、観光客の飛び入り参加も大歓迎です。もしも、幸運にも元旦に母島滞在されている方は、是非一緒に参加してみませんか?
 因みに、写真右奥に見える島は平島です。今朝、観光協会窓口から平島、母島間で大小3〜4つのブローを確認しました。クジラの家族はすぐそこまで遣って来ています。
12月22日
 昨日の清々しい風と太陽は何処へやら・・・。
今日の天気はまさに師走の台風です。海は大時化、陸上では横殴りの雨に葉や小枝が入り混じり凄いことになっています。ご覧の通り大きなヤシの木も風に葉をもぎ取られないよう必死で絶えています。
 観光協会のアルバイトスタッフには農業者がいるのですが、あまりの強風に自分のビニールハウスが飛ばされそうだとの急報を受け、慌てて飛んで行きました。後で聞いた話では、ビニールハウスを固定するまで屋根に乗り、重石の役目を果たしたとか・・・。大の男が乗っても抑え切れないこともある事態に果敢にも立ち向かった彼女ですが、本当に飛ばされていたらどうなっていたんでしょう?なんとも恐ろしい話です。
 巨大な低気圧によってもたらされた荒天は、モニターキャンペーンにも多大なる影響を与えました。クリスマスを小笠原で過ごそうと楽しみにされていた方の中には、おが丸の出航日変更によってキャンセルを余儀なくされた方もいるようです。そんな方々、母島は来年も変わらずあります。クジラの親子もまた帰って来てくれるでしょう。なので、楽しみを先延ばしにしたということで、またの機会にお越しいただけることを楽しみにお待ちしております。
12月23日
 昨日の台風並みの猛烈な風に飛ばされてきたのか避難にきたのかカモメ達が集まってきました。これはウミネコですがユリカモメからオオセグロカモメまで大小さまざまなカモメが来ています。確認はしていないのですが白鳥がいるとの情報もあります。
 内地が寒波に見舞われた4年前、普段はあまり見る機会のないカモメ達が100羽近くやってきました。まるで北国、演歌の世界のようでした。
 東京の鳥はユリカモメですがメグロにしたらいいではないかという声もあります。世界でも東京都にしかいない鳥ですから。そうなったらいいですね。
12月24日
 クリスマスイブですがこれはサンタさんからプレゼントでは有りません。おがさわら丸の出航が1日ずれたので今日が入港日でその荷物です。

 海上模様が悪くしばらくははじま丸も欠航していました。でも今日、接続便が入らないと母島の子供たちはプレゼントも待ち焦がれていたケーキももらえません。子供たちには、荒れている海を縫うように入ってきたははしま丸がトナカイのソリに見えたことでしょう。
 大人達にはお歳暮の山。郵便局の配達係りは今日は大忙しです。
 明後日出航するおがさわら丸が小笠原発の今年最後の船となります。いよいよ年の瀬です。
12月25日
 いよいよ海びらきのメインイベントであるカヌー競漕の練習が始まりました。昔、漁をしていたカヌーを15年前に復元し毎年海びらきに白熱の競漕大会が行われます。木で出来たアウトリガーカヌーを3人1組でこぎます。ここにあるのはそのオールですが、幅の広いものが一つ見えます。これは後ろの人が使う舵取り用のオールです。
 海も凪いできました。明日は漁師の方から借りたブイを設置して本格的な練習が始まります。でも勝負は時の運。タイムレースですが特別賞もありますから気楽にたのしみましょう。観光客の参加は大歓迎です。島民とチームを組むのも楽しいですよ。
12月26日
 今日は父島⇒竹芝の年内最終便が父島を出航する日です。毎年、この便には大勢の父、母島民が正月を故郷で過ごすために乗船します。本日のおが丸乗船客数311名。この時期、200名そこそこでの運航が多いことを考えるとかなりの数ですね。
 一方、そのおが丸に接続するはは丸には33名が乗船されました。観光客の顔もちらほら見えますが、ほとんどは見慣れた顔。帰郷船団の中心は冬休みに入った小中学校教員の方々のようです。正月明けに戻って来たら、内地での極寒体験談を伺うのが今から楽しみです。
 因みに、母島では来年元旦届けの年賀状受付け期限が12月24日の11時でした。当然、クリスマス気分に浸っていて、ついつい期限までに投函出来なかった方々がいらっしゃいます。今朝、船客待合所でやたらと分厚い封筒を帰郷される方に手渡す光景を見てハッとしました。なるほど、そんな裏技があったんですね。
12月27日
 その形が時計に似ていることから名付けられたトケイソウ。写真に写るのはその中でもクダモノトケイソウと呼ばれるものです。「クダモノ」が頭に付くのですから何か実が生るのかとお思いの方、生るんです。それもちょっとした高級果物が。
 その正体はパッションフルーツ。その中でも母島産のものは芳香が強く、甘みと酸味が適度に調和しているとのことで人気が高いそうです。
 このパッション(Passion)という名前、そのゴージャスな花の形から「情熱」がその由来だと思われている方が多いようですが、実は違います。欧米人にとってこの花は十字架に打たれた釘や鞭など、キリストが受けた数々の受難を連想させるため、Passion(受難)Flower(花)と名付けられたそうです。
 因みに、パッションフラワーの花言葉は「信じる心」です。決して情熱的な恋心を伝えるためにパッションフラワーの花束など送らないように気を付けましょう。
12月28日
 しばらくの間、母島一背の高い建造物であったであろう赤白クレーンの持ち主は第八海光号です。沖港の港湾工事のために、遥か広島より4日をかけて遣って来ました。その大きさは手前に映る人と比較すればお分かり頂けると思います。毎日、忙しそうにクレーンを動かし、母島のために頑張ってくれましたが、本日、無事任務を終了し、長い長い帰路につきました。
 見送る後姿に違和感を感じ、望遠レンズでよくよく見ると船の後ろには第七海光丸と書いてあります。あれ?確かに先ほど確認した時は第八海光号と船体横に書いてあったのに・・・。
 一人悩んでいると、隣にいた方が親切に教えてくれました。「あの船は台船である第八海光号の後ろに動力船の第七海光丸が格納されていて、更に港湾内の足的な存在として、甲板に第六海光丸が積載されているだよ」。それを聞いた瞬間、私は昔夢中になったあるものを連想してしまいました。第八海光号はまさしく実用版サンダーバードU号です。
12月29日
 小笠原では元旦が海びらきです。
元旦にはカヌー競漕を初め様々な海びらきイベントが脇浜なぎさ公園で開催されますが、翌日2日には伝統の羽根つき大会が行われます。そのための羽根作り教室がありました。
 戦前からある、タマナの木で作った羽子板を竹羽根でつく羽根つきです。硬くて重い板でつくのですから昔は成人の遊びでした。
 竹羽根は羽根にする大きさに切った竹をいくつかに割り細く裂いていきます。よく飛ぶようにするにはこれが肝心です。。普段小刀を使わない子供たちが小刀の使い方も教わりました。自分で作った羽根で遊ぶ羽根つきはきっと楽しいことでしょう。
12月30日
 今日は今年最後のおが丸入港日です。乗船客数851名。やはりHotな正月を小笠原で過ごしたいと思われる方は多いようです。おが丸入港から遅れること3時間余、はは丸が久々に黒い人だかりを乗せて沖港に姿を現しました。136名の乗客の中には懐かしい顔も数多く見られ、出迎えた島人たちから「えらい大きくなったなぁ」などと声を掛けられていました。
 ところで、写真足元にご注目!南国ははじまらしく、レッドカーペットならぬグリーンカーペットです。実はこのカーペット、父島に生息する侵略的外来生物プラナリアの母島侵入を防ぐ最後の砦なのです。母島にお越しの際は、このグリーンカーペットの上でしっかりと靴底の泥を落としてくださいね。小笠原の貴重な生態系を守るため、皆さまのご協力をお願いいたします。
12月31日
 
いよいよ今年も最後となりました。お正月休みで来島された観光客の方々は乳房山、南崎、北港へとそれぞれ母島を満喫していらっしゃいます。陸上からもクジラが見えています。
 さて、明日の元旦は海びらきです。事務局は準備に追われています。カヌー競漕にも35チームが申込みをしています。白熱のカヌー競漕が繰り広げられることでしょう。
 母島の海びらきイベントは初日の出登山から始まります。人が住んでいるところでは日本一早い初日の出を日本一南にあるふるさと富士、南崎小富士で迎えます。なぎさ公園の会場では樽酒、ラム酒、パッションリキュールをはじめ、島の行事には欠く事の出来ない亀の煮込みも振舞われます。南洋踊り、そして白熱のカヌー競漕へと続きます。てるてる坊主を3つも付けた甲斐は果たしてあるでしょうか。
12月20日〜