3月1日〜
3月1日
 船客待合所に緑の訪問者が現れました。メグロ、メジロなどの鳥やアノールなどは訪れるのですがバッタは初めてです。海洋島にバッタ?とお思いでしょうが固有種もいるのです。自力で飛んできたり(根性があります)気流に乗って運ばれたり、流木や植物について運ばれたりと、相当な偶然で島にたどり着いたものたちが独自の進化をしたと考えられています。ムニンツユムシなど小笠原の固有種または固有亜種は直翅目12種ゴキブリ目1種が数えられています。
 昆虫の分からない我々スタッフにこの直翅目は何かどなたか教えていただけますか。
3月2日
 「
ドドドドドッ」向こうの方から二気筒エンジン独特の音が近づいてきます。島で二気筒エンジンの持ち主といえば耕運機ぐらいなもの。しかしその音は遥かに早いスピードで近づいてきます。
 「Ducati Sport1000」それが音の主に付けられた名前。Ducatiと言えばイタリアの名門バイクメーカーで、バイク乗りなら誰もが一度は所有感に浸りたいと熱望するバイクです。そのバイクが今、私の目の前に停まっています。持ち主は島の漁師さん。 
 いやぁ〜 それにしてもこれぞ道楽の極みです。島中の道路をつなぎ合わせても20キロ程度にしかならない母島。塩害が激しくガソリン代は内地の2倍以上する母島。それどころかバイクの整備工場すら存在しない母島なのに所有する気持ちを抑えきれない程のバイク好きが居たんですね。
 このバイクを走らせていて気付いたことがあるそうです。母島には熱狂的な(元)バイク乗りが大勢居ることを。バイクを停める先々で質問攻めにあうそうです。斯くいう私もその一人。やっとの思いで断ち切った想いがムズムズと蘇ってきてしまいそうです。
3月3日
 今日はひな祭り。季節感の希薄な南の島でも女の子達(何歳まで?)はそれぞれの思いのあるお雛様を飾ります。これはガラスで出来たお雛様。住宅事情や保管が難しい気候などのため、島では大きなお雛様はめったに見ることが出来ません。
 家の中でひっそりと見守っているお雛様。それに引き換え南の島の暑い日ざしにもめげずに来月になると様々な鯉が青い空に泳ぎます。
 季節は確実に巡ってきます。それにしても日のたつのが早いこと。毎日があっという間に終ってしまいます。
3月4日
 「518」これ、本日入港のおが丸乗船客数。「141」これ、本日入港のはは丸乗船客数。凄いですね〜。1000人以上乗れるおが丸はともかく、はは丸は定員まで残り僅か2人の超満員状態です。
 そんなはは丸には大勢の観光客に交じって11人の若きサッカー選手が乗っていました。父島の少年サッカーチームです。先日行われたスポーツ交流会では母島のチームが父島にお邪魔して、子供たちはホームステイまで体験させて頂きました。今度は母島の番です。ナイター設備の整ったグランドで一汗かいたら、ステイ先の食卓を囲んで乾杯!・・・なんてことになるはずはないのですが、楽しい団欒の時が待っています。
 それにしても、「汗」という文字を見ると反射的に「汗→Beer→乾杯」という流れを連想してしまう思考回路は何時頃から形成されるのでしょうか?そして、この若き選手たちも将来「プハァ〜」とか言いながら一汗かいたあとの一杯を楽しむようになるのでしょかね?母島は既にBeerが恋しい季節がやって来ています。
3月5日
 
母島の産業祭である母島フェスティバルが開催されました。好天に恵まれ、小笠原太鼓が人寄せ太鼓を威勢良く打ち鳴らしお祭の開催を告げると母島の旬の食材を求めて多くの人が集まってきました。母島の陽射しをたっぷり浴びて育ったトマト、伝統料理の亀の煮込み、刺身、ラム酒試飲、.島チラシ弁当など盛りだくさん。農協婦人部の島トマトをふんだんに使ったミートソースや大根餃子の無料提供には皆、顔をほころばせていました。母島の植物を使用した草木染の体験もあり楽しい1日となりました。参加者数約230名       写真提供:長堀茂氏
3月6日
 今日は絶好の行楽日和。そんな中、東京からいらした団体ツアーの方々はホエールウォッチングに出かけました。出港するのを見送って事務所に戻ると、先ほど出港したはずの船が沖港を出たあたりで漂流しています。「あれっ!トラブル発生か!?」とすぐさま双眼鏡を覗き込んでみると、乗船客は皆さん笑顔で、視線がある一点に集中しています。視線の先を双眼鏡でたどると、そこには名前の由来である座頭のような背中を見せて悠然と泳ぐクジラの姿がありました。出港後、5分も経たないうちの出来事です。
 数時間後、日焼け以上に興奮で顔を赤らめた方々が意気揚々と帰ってきました。なんと、そのクジラは見事なブリーチまで披露してくれたとのこと。目の前で30トンもの巨体が突然宙を舞えば、そりゃぁ誰だって興奮しますね。
 母島のホエールウォッチングシーズンはまだまだ続きます。
3月7日
 天気予報によると今日は午後から雨。なのに午後になっても雲ひとつ無い晴天が続きました。早朝から絶好の洗濯日和だったのに、天気予報を信じて洗濯を見送った人には怒る気にもなれないほどの外れっぷりです。
 天気予報が外れたお陰で、今日は最高のサンセットを拝むことが出来ました。写真に写る影は眼鏡岩です。ハスベイ沖に位置するこの岩の周辺海域では今の時期、クジラとサンセットをセットメニューでお楽しみ頂けます。今日は夕方から風もピタッと止み、海は超凪状態になりました。船を出し、特等席でセットメニューを楽しんだ島の友人も大満足の時を過ごしたそうです。
 こんなに天気の良い母島ですが、内地との間には前線が横たわっているようです。今日、父島を出港したおが丸はそんな前線に向かって目下航行中。あまり揺れないのを祈るばかりです。 写真提供:Y.K氏 
3月8日
 今年初めてのパッションフルーツです。陽射しがまだ厳しくないので味はまだちょっと酸っぱいようです。産まれて初めてパッションフルーツを食べた人の感想は・・・・
 とってもいい香りでずーっとかいでいたい気分。種を噛んでみたらパチパチはじけて爽快。パッションゼリーやキャンディーで味わったことがあるけど似ていて非なるもの。本物は香りが素晴らしい。毎日食べたい!!!
とのことです。
 これから収穫が始まります。南国の香りがそこここに漂うことでしょう。
3月9日
 観光協会のデッキにある鉢植えのアロエの花が咲きそうです。
アロエの葉をご自由にお持ち下さいと言っているのに皆さん遠慮されるのかどなたもお持ちになりません。以前協会でアロエ料理開発をした時には、島のアロエが品薄になるほど評判でしたのに。
 その時の評判メニューを一つご紹介します。
アロエの葛餅風またはワラビ餅風。
皮をむいたアロエをさいの目に切り黒砂糖シロップで煮る。一晩おくとより美味しい。シロップを切り、きな粉の中に転がしよくまぶす。簡単で美味しいおやつです。
 さて、明日からアロエの葉は無くなっていくでしょうか。