3月20日〜
3月20日
 アマサギが集落内にとどまっています。ちっとも人を恐れないのでそばによって写真を撮ろうとしたら飛び立ってしまいました。
 母島の冬はコサギ、チュウサギ、アマサギ、ダイサギなどが集まってきます。華奢な首がなんとも頼りなく、また上品な感じがします。しかしアノールトカゲをがつがつ食べている姿を見かけます。ああ、見てはいけないものをみてしまった!とつい思ってしまうのは人間の偏見でしょう。メグロがゴキブリを食べているのを見てガッカリしてしまった観光客がいましたが分かる気がします。
3月22日
 アノールの縄張り争いの姿です。今まで威嚇のために喉を膨らませている姿は良く目にするのですがこのような相手の口の中に口を入れているのは初めてです。年々数を増すばかりではなく強さも増して来たのでしょうか。共食いをしているとの情報も入ってきています。侵略的外来生物は一体どこまで行く気でしょう。早く何とかしなくてはなど言っているうちにもますます進化を遂げ、勢力を伸ばし怖いものなしになっていってしまったら・・・と思うと恐ろしくなります。これは共食いはしなかったようです。もしかしたら新たな愛の表現?
3月23日
 早朝から前線の影響で母島は大荒れの天気でした。台風かと思うような突風が吹き、おがさわら丸入港が遅れ、ははじま丸の動向が心配されましたがやはり欠航になってしまいました。モニターキャンペーンと団体のお客様だけでも60名の方が父島に足止めされてしまいました。少ない日程を有効に使おうと計画を立てていたことでしょうに大変残念です。
 昼からは横殴りの猛烈な雨が吹き付け傘もさせない状態でしたが、午後3時頃になると嘘のように静かになり海も穏やかになってきました。きっと明日はいいお天気になることでしょう。
3月24日
 「これは珍しい。船客待合所のベンチの上にメグロの巣が・・・」
勿論これは冗談ですが、今、観光協会の窓口にはこんなに可愛い鳥の巣が飾られています。本来、この巣の主はメジロなのですが、たまたま観光協会に居た可愛いメグロの模型を住まわせてみると、途端に観光客の人気者になりました。ちなみに、メグロとメジロの巣は巣底の形状で見分けられます。底が平たいのがメグロ、丸いのがメジロです。これはメグロは置き型の巣を作るのに対し、メジロは吊り型の巣を作るためです。それではウグイスはどんな形の巣を作るのでしょうか?答を知りたい方は是非ロース記念館へ。
3月25日
 ここは島内に残るとある壕の中。懐中電灯で足元を照らしながら曲がりくねった壕を進むと、突如、まぶしい光が目に飛び込んできました。大人一人が腹ばいになってやっと通れるくらいの穴の先には瑠璃色の海が広がり、更に向こうには真っ白な砂浜が美しい平島や向島を望むことが出来ます。そんな「窓枠」に取り残された金属製の椀の底にははっきりと日本海軍のマークが付けられていました。
 そうなんです。小笠原は「東洋のガラパゴス」と謳われるほどの貴重な自然と戦争による多くの傷跡を併せ持つ、壁の無い歴史資料館のような存在でもあるのです。そんな奥深いところも「小笠原フリーク」と呼ばれる方たちが小笠原にあしげく通う要因の一つなのかもしれませんね。 
3月26日
 ホエールウォッチング協会母島支部による、村民ホエールウォッチングが行われました。
入港中はあいにくのお天気でしたが、出港日の今日は海も穏やかになり絶好のクジラ日和でした。
 この企画は、島に住んでいる人に「私たちの島の素晴らしさ、クジラそのものについて、ホエールウォッチングの醍醐味」を島外の人に伝えよう」と言う趣旨で、小笠原がホエールウォッチングはじめた時から実施されているものです。
 今年は42名の島民が海に出て沢山のクジラに会えたようです。さあ、今日の感動を島外の人に伝えて下さいね。
3月27日
 村営バスが走っている父島とは違い、母島は島内での足の確保が大変です。スクーターに乗れる方はレンタルバイクで自由に走り回ることが出来ますが、そうでない方に残された道は乗り合いタクシーの利用かレンタルサイクルの利用となります。但し、母島の道はその殆どが山岳道路ですのでそれなりの覚悟が必要です。そうなると、乗り合いタクシーの利用が無難となりますが、これも台数に限りがあります。因みに3月中のおが丸入港中は殆どが事前予約で満席状態でした。
 そんな中、朝早くから自分の足で南崎や北港に向かわれた方々が夕方近くに満足そうな顔をされて観光協会を訪れます。話を聞けば、道中で様々な新発見があったとか。そんな話を伺うたびに「やはり母島はゆっくりと廻って頂くのが一番!」という気持ちになります。皆さんも是非母島の滞在期間に余裕をもってご自分の足で母島の自然を体感してみませんか?
3月28日
 朝は曇りの天気でしたが、あれよあれよといううちに横殴りの雨になりました。午後からは本格的な豪雨で、今では、稲光と雷が鳴り響いていています。前線の影響ですが今年はいつもと違い荒れ模様の日が続きます。雨を喜ぶ農家の人ももういらないといっているほど。適度な雨は地面にしみ込み作物を育てますが、大雨は結局流れてしまいます。沖港は流れこんできた赤土で茶色の海と化しています。繁殖時期の鳥達もどこかに非難していることでしょう。
 明日は入港日です。太陽が顔をのぞかせてくれる事を期待します。
3月29日
 昨日まで降り続いた雨も何とか止み、モニターキャンペーン最終便のお客様も賑やかにお迎えすることが出来ました。
 写真はブラジルが生んだサッカーの神様”ペレ”が着ていたことでも有名なATHLETAのTシャツです。そんな有名メーカーのTシャツですが、何と裾の部分には”FC FORCA HAHAJIMA”のロゴが・・・。”ATHLETA”のロゴを使わせてもらうだけでも一大事なのに、母島少年サッカーチームの名前まで入れさせてもらえるとは凄い!実はFC FORCAの代表は以前ブラジルにサッカー留学していたことがあり、その時の縁で実現したものだそうです。
 売上の90%はFC FORCAのユニフォーム作成資金に、残りの10%はスマトラ沖地震・アチェ支援に活用されます。アチェ支援に関する活動は今回だけでなく、島内イベントなどを通じ様々な形で行われています。周囲を海に囲まれた母島にとってアチェで起こった悲劇は他人事ではないのです。
3月30日
 「ハハジマニモサクラサク」
勿論冗談ですが、そんな電報が付いていそうな贈り物が内地から届けられました。東京23区内や神奈川方面では今週末辺りが見頃だそうです。
 それにしてもソメイヨシノのほんのり桃色がかった色あいは何とも言えず上品ですね。残念ながらソメイヨシノは母島には存在しません。内地に居ても毎日気ぜわしく過ごしているとその時期を逸してしまうほど桜の見頃は短いものです。ましてや1000kmも離れた小笠原で暮らしていると内地で満開のソメイヨシノを仰ぎ見るチャンスに恵まれることなどなかなかありません。そんな母島の方々に少しでも”日本の春”を感じて頂きたく、早速、観光協会の窓口に飾らせて頂きました。事務所が開いている間ならいつでもご覧頂けます。一方、事務所が閉まっている間は冷蔵庫保管で一日でも寿命を伸ばそうと頑張っています。
  
3月31日
 「ちゃんと手をあげて渡らなきゃ危ないよぉ〜」
そんなアドバイスも馬耳東風で船客待合所前の横断歩道を悠然と闊歩するのはモクズガニ。このカニは全国の陸域に生息する大型のカニですが、その中でも小笠原のものは巨大化することで有名です。
 昨晩、自宅近くの路上をノソノソ歩いていたところに遭遇し救助したのですが、なんとも貫禄のある毛深いハサミの持ち主は、触ろうが持ち上げようが全く急ぐ気配がありません。今日も島の子供たちに見守られる中、マイペースに横断歩道を横切り、桟橋から海へと姿を消して行きました。
 因みに、このカニについて調べているとこんな記述に出会いました。『モクズガニのミソはカニの中では最上のもの。このミソを啜りながらかぶりつく。この香り、旨味は他のカニにない独特なもの』 こんなことを見送った後に知ってしまった私の気持ち、お察し頂けますか?